立澤史郎・2000-2002年の主な著作物

【論文・総説】

Tatsuzawa, S., Sakaizumi, M. and Kano, Y. 2001.
 The first record of two freshwater fishes, the medaka Oryzias latipes and the loach Misgurnus anguillicaudatus from Mage-shima Island
 : Ecological, Genetical, and Historical Views for Conservation.
 Biogeography 3: 89-100.

(要旨)全国で最大クラスの無人島である馬毛島にある16河川を精査し,うち限定された数河川において希少種に指定されているメダカとドジョウの生息と繁殖を確認した.メダカについてはDNA解析(主にチトクロームb)を行い,異なる河川系に2つの遺伝子タイプが存在し,うち1つは種子島ですでに消滅した地域個体群と同じタイプであることを指摘した.また馬毛島では,河口部汽水域での河川結合によるメダカ個体群のメタポピュレーション化が,個体群維持と遺伝的多様性維持に寄与している可能性を指摘し,さらにこれらの遺伝学的情報に歴史記録をあわせて,本島のメダカ個体群の成立過程を論じた.この最後の議論では,地域生物群集の成立過程と保全の議論において,地域社会(人間側)の歴史に関わる考察が不可欠であること,外来種の移入がない無人島が遺伝的多様性を保持する保護区として機能することを指摘した.

Goodman, S. J., H. B. Tamate, R. Wilson, J. Nagata, S.Tatsuzawa, G. M. Swanson, J. M. Pemberton and D. R. Mccullough. 2001.
 Bottlenecks, drift and differentiation: the population structure and demographic history of sika deer (Cervus nippon) in the Japanese archipelago.
 Molecular Ecology 10: 1357-1370.

(要旨)日本列島各地のニホンジカ個体群の分子遺伝学的特性を調べ,遺伝統計学的手法を用いて起源となる集団の起源を議論した.

立澤史郎・藤田和・伊藤真子(2002)
 奈良公園平地部におけるニホンジカの個体数変動.
 関西自然保護機構会報 24(1): 33-43.

(要旨)著者らが10年間主宰・運営してきた市民による奈良公園のシカの生態調査の結果から,「奈良のシカ」が野生個体群の特性である密度依存的な密度調節的変動傾向を示し,それが大きな死亡率により維持されている可能性を指摘した.また日周移動の程度が弱まることで公園(特に森林部)の利用圧が高まっている可能性などを指摘した.

立澤史郎・藤田和.2001.
 市民調査を通じて見た「奈良のシカ」保全上の課題.
 関西自然保護機構会報 23(2): 127-140.

(要旨)広く親しまれている「奈良のシカ」について,種内多様性(地理的変異)維持,地域個体群(分布域の連続性)維持,森林保全(生息地管理)における日周・年周行動の維持の意味,中世以降の当地でのシカ管理の歴史とその影響,などの観点から,保全・管理上の問題点や課題を指摘・提言した.

立澤史郎. 2001.
 マゲシカの骨角食行動と骨角食痕−南西諸島における偽骨角器の自然成因例−.
 史料編集室紀要 第26号: 1-20. 沖縄県教育委員会.

(要旨)南西諸島において,動物の痕跡か先史人類の使用した道具かという点で論争が続いていた「骨角器」様形状について,無人島である馬毛島において,ニホンジカの摂食により頻繁に形成されること,それがシカの栄養状態や密度の動物考古学的指標にもなる可能性,などを実証的に示した.

河上康子・立澤史郎. 2000. 大隅諸島馬毛島の昆虫目録. 
 Nature Study 47(1): 8. 大阪市立自然史博物館.



【報告書・解説文など】

立澤史郎(編著).2002.市民が調べた「奈良のシカ」の生態ーDeer My Friends市民調査10年史-.
 「奈良のシカ」市民調査会発行.132pp.

立澤史郎. 2000-2003. 「大阪近郊の哺乳類」(1)-(20). Nature Study 46(4)-49(2)(連載中).
 大阪市立自然史博物館.

立澤史郎. 2002. 「<書評>これでいいのかビオトープ?ちょっと待ってケナフ!」
 日本生態学会誌.52: 295-296.

立澤史郎. 2002a・b. 馬毛島保全の根拠と方策ー生態学の立場からー(1)(2).
 「環境と正義」2002年7月号・10月号.日本環境法律家連盟.

立澤史郎. 2002. 馬毛島の自然と保全.
 松原編「馬毛島の自然と歴史を考える」:15-19.馬毛島を守る鹿児島の会.

立澤史郎. 2002. 馬毛島の魅力と持続的活用<提言にかえて>.
 松原編「馬毛島の自然と歴史を考える」:36-38.馬毛島を守る鹿児島の会.

立澤史郎. 2001. 無人島に生きるマゲシカ-野生の暮らしを探る-.
 世界教材ニュースNo.1690(1月25日号).

立澤史郎. 2000. 熊毛諸島のニホンジカー共存のための課題.
 生命の島 15(2): 59-64. (有)屋久島産業文化研究所.

立澤史郎. 2000. 「第7回国際生態学会議と第4回国際シカ類生物学会議の報告ー学会四輪走行のすすめー」
 哺乳類科学, 40(2): 207-210.日本哺乳類学会.

立澤史郎. 2000. 「第10回北極圏有蹄類会議と北極圏有蹄類学会の設立」
 哺乳類科学, 40(2): 211-212.日本哺乳類学会.

立澤史郎. 2000. 「<書評>Mammalogy-Vaughan et al. and Feldhamer et al. 」
 哺乳類科学,40(1).日本哺乳類学会.

立澤史郎. 2000. 「<書評>食べる速さの生態学」
 生物科学 52(2): 52.


SEROW's Homepageへ戻る  主な活動記録へいく  主な学会発表リストへいく