スズメダイの藻園を求めて
カリブ海の島々と東太平洋に行ってきました。
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カリブ海を訪ねました。マングローブに縁取られ、たくさんの小島が散りばめられた美しいサンゴ礁でした。地形がすごく入り組んでいて、ボートに乗せられて マングローブの間の水路を行くと、すぐに方向が分からなくなり、今でも海賊の出てきそうなところがたくさんありました。
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マングローブの間を抜け、イルカ湾という開けた場所にでました。 シュノーケリングツアーの最初の目的地はドルフィンウオッチングでした。幸いすぐ近くを泳ぐイルカを見ることができましたが、10隻ほどの船でイルカを取り囲 むようにして容赦なく追いかけ回すので、イルカへは相当ストレスがあるはずです。海や生きものが好きな人たちが、自分たちの好きなものを脅かしてしまうと いう矛盾について考えさせられます。
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カリブ海の目的はやっぱりなわばりを持つスズメダイ。こちらでは、沖縄より多い、8種類ものスズメダイがわばりを守っています。これはスリースポットダムセルフィッシュ、学名Stegastes planifronsカリブ海で最も繁栄しているスズメダイです。
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こちらはイエローテールダムセルフィッシュ(Microspathoson chrysurus)。このスズメダイは大きくて、20cm近くになります。その大きな体を活かして、小さなスズメダイたちのなわばりの上に大きななわばりを張り、小さなスズメダイたちが防衛する藻園から藻類を搾取しています。このように複数種のスズメダイのなわばりが重なることはめったに知られておらず、大変興味深いです。
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こちらはダスキーダムセルフィッシュ(Stegastes adustus)。このスズメダイは10cmちょっとで、先ほどのイエローテールを体サイズが違いすぎて追い払えずに、藻園に侵入されてしまいます。イエローテールを人為的に取り除くとダスキーの成長が良くなり、明らかに搾取されているようです。しかし、イエローテール除去区でのダスキーの生物量は、イエローテールとダスキーが共存している場所で両種を合わせた生物量より低くなります。つまり、共存していることで、同じ面積の土地からの生産物をより効率的に利用できるようです。こんなところに共生の謎を解く鍵があるのかもしれません。
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ヤシの木に縁取られた翡翠色の海。このようなサンゴ礁らしい景観を見ると心がふっとゆるみます。ココヤシはもともと太平洋に産していて、カリブ海に持ち込まれたのは15世紀のこととか。今では食用のほか油脂や繊維の原料として産業にも欠かせないものとなっています。
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パナマ北東部サン・ブラス、そこから小型飛行機で眼下に輝くサンゴ礁を飛び越えて、カリブ海に浮かぶ小さな島に向かいました。そこはクナと呼ばれる自然と強い結びつきを保つ人々の治める土地。サンゴ礁はどこまでも静かで清浄でした。

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名前の通り、スズメダイとしては最大級で 30センチを超えます。尾びれ上下の端が長く伸びて独特の雰囲気、何か気品のようなものを感じさせました。これはカリブ海からパナマ地峡を越えたところの、太平洋の東岸に生息するスズメダイ。カリブ海や東太平洋では、インド−太平洋とはまた異なった、固有のスズメダイ達を多く見ることができます。



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