淡水魚の保全 渡辺勝敏

since 2004-3-18
Last update 2009-10-21
「保全の単位:考え方,実践,ガイドライン」保全としての放流 

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「再導入のためのIUCN/SSC ガイドライン(私訳)」

はじめに

私は,淀川の河畔で過ごした少年時代からの「淡水魚好き」で,大学の水産学部で淡水魚の生態研究を始めて以来,現在まで継続して,主に日本の河川で研究・社会活動を行ってきました.研究の開始時から,幸か不幸か希少魚(ネコギギ)を研究対象としてきましたので,周囲の研究者や保全関係者の影響も受け,これまで微力ながら淡水魚とその生息環境の保全を考え,また活動を行ってきました.

その中で見てきたものは,物言わず,目立たないこの水中の生き物が,人間活動の影響による理不尽で悲惨な状況のなかで,興味をかき立てずにいられない生態・行動を示すこと,そしてそれには非常に長い地域に根ざした「歴史」が伴うことでした.そして,その淡水魚の危機は,「人間活動」とは一般化しにくいような,個別の人間活動における種々の矛盾や理不尽な行政・個人による決定,倫理にもとる商行為,あるいは一部の人間の生活をも破壊してしまうような活動原理を,暗示・含意していることも分かるようになってきました.

このページは折に触れ,淡水魚とその生息地の保全活動に関係する情報の発信と,志を同じくする人たちの便宜のために活用していきたいと考えています.
なかなか更新もされませんが,コンテンツや保全一般に関して,いろいろと情報交換や議論ができれば幸いです.

目下,「環境保全を目的としながら,方法の誤った,保全にマイナスの放流活動を減らすこと[放流ガイドラインへ]」,「希少魚の密漁,販売を根絶すること」,「淡水魚の乱獲を助長するホームセンターなどでの淡水魚の販売を減らすこと」,「河川行政を,名実ともに環境保全の目的に則したものとすること」などを目的に,自分ができることから考え,実行しているところです.

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魚類学雑誌「シリーズ:日本の希少魚類の現状と課題」

日本魚類学会の和文学術誌である「魚類学雑誌」に,54巻2号(2007年)から「シリーズ:日本の希少魚類の現状と課題」の連載が始まりました(私が自然保護委員会と編集委員会で企画を担当しています).現場に近い執筆者による「現状と課題」を是非お読みください .
[日本魚類学会・シリーズ:日本の希少魚類の現状と課題のページへ移動]

第1回 ヒナモロコ:田園風景とともに消えつつある魚/アユモドキ:存続のカギを握る繁殖場所の保全
第2回 イトウ:巨大淡水魚をいかに守るか/キリクチ(紀伊半島のヤマトイワナ):分断された小個体群の保全に向けて
第3回 タナゴ亜科魚類:現状と保全/イタセンパラ:河川氾濫原の水理環境の保全と再生に向けて
第4回 オガサワラヨシノボリ:海洋島における淡水生態系の保全に向けて/琉球列島の中卵型ヨシノボリ属2種:島嶼の河川で 進化してきたヨシノボリ類の保全と将来
 

「保全の単位:考え方,実践,ガイドライン」

2009-10-12に東京海洋大学で開催された2009年度日本魚類学会市民公開シンポジウム「国内外来魚問題の現状と課題」で講演した「保全の単位:考え方,実践,ガイドライン」のスライドを公開します.
要旨:生物の本質は「自ずと進化する実体」なので,その主体である地域個体群を,進化しつづけられる状況で守ることこそが種の保全に他ならない.淡水魚の保全においてはできるだけ多くの地域個体群を多数個体のもとで保全する必要があり<基本的な保全単位>,それが不可能な場合にのみ,歴史的に近い個体群を対象に交流させることを保全策とするべきである<連続的な保全単位>.日本魚類学会の「放流ガイドライン2005」はこのポリシーのもとで策定されたチェックリストである.

「保全としての放流」

2009-9-26に応用生態工学会第13回埼玉大会で開催された分科会「保全としての放流」ちらし.pdf)で講演した「遺伝学・生態学的背景,事例とガイドライン説明」のスライドを公開します.
二次的利用も可ですが,できるだけ出典を明らかにしてください.

淡水魚保全・放流に関するよくある質問ページへ移動)未完成のまま放置中(上を参考にしてください)


お知らせ

・保全遺伝学のすばらしい教科書が翻訳されました.『保全遺伝学入門』Frankham, R.・J. D. Ballow・D. A. Briscoe. 2002(西田 睦監訳,高橋 洋・山崎裕治・渡辺勝敏訳.2007)文一総合出版,東京,751 pp.(\7,200+税)
著者割(8割)購入可です.ご連絡ください.
出版社ウエブページ←「Books」から左フレームの「専門図書」へ)

日本魚類学会により「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」が策定されました(2005/4/6).

 

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資料・記事

雑感「設楽ダム建設について---環境影響評価書の縦覧にいたって」(2007/7/19)

日本魚類学会「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」(2005/4/6)

2004年度日本魚類学会公開シンポジウム「淡水魚の放流と保全 --- 生物多様性の観点から」@東京海洋大6/19の要旨集(日本魚類学会のHP)

関連報道:京都新聞 環境を考える--淡水魚の放流保全に逆効果な淡水魚の安易な放流(かもしれない)ニュース

「再導入のためのIUCN/SSC ガイドライン(私訳)」(by KW)

国際自然保護連合/種の保存委員会による野生集団の再確立を目的とした再導入のためのガイドライン(IUCN/SSC Guidelines For Re-Introductions)の翻訳です.原文はhttp://www.iucn.org/themes/ssc/pubs/policy/reinte.htm

「淡水魚の保全と遺伝−7つの質問」(by KW)

日本魚類学会公開シンポジウム(2003/6/21)「身近な水環境の復元−水田や里山の魚たちを未来に」配布資料を転載

(以下,とりあえず主張だけ...)

・希少淡水魚の乱獲と売買に強く反対します.・少なくとも岐阜県と三重県の生息地で行われた証拠・情報のある,国の天然記念物ネコギギの違法採集を行なった人たちに強く々々抗議します.

・奈良県の天然記念物に指定されている区域でキリクチ(ヤマトイワナ)を違法に釣っている人たちに強く々々抗議します.

<純粋なキリクチ(特に一方の支流)は本当に今,絶滅寸前なのです.大阪・和泉ナンバーの車で恒常的に釣りに入っているグループは,どうか密漁をやめてください!>

河川生態系に取り返しのつかない大きな影響を与えるダムの建設に反対し,脱ダムの潮流に賛同します

・ブラックバス等の外来魚の違法な放流に全面的に反対し,駆除の潮流に賛同します.

今後,以下のような内容についてアップしていく計画です.

淡水魚を守ることの意味と意義/ネコギギの保護をめぐるノート/淡水魚保護のための方法/淡水魚保護に関わるニュース /淡水魚保護のためのネットワーク

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淡水魚保護をめぐる 「自分」ニュース<いろいろあります/ありましたが,未更新>

予定


済んだもの


> 古い「自分」ニュース

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淡水魚保護に関する
特選(?)リンク集 希少淡水魚の保全のための再導入計画例

尻別川のイトウ by オビラメの会

RDBデータ集(環境省)各都道府県淡水魚保護に関わるニュース(2005年6月まで;しんどいわ...)保全に逆効果な淡水魚の安易な放流(かもしれない)ニュース(3月以降たくさんあって断念中)

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